みんなの声

TPP参加で日本の農業生産が減っても、工業製品の輸出で稼いだお金で海外から農作物を買えば良いんじゃない? それは何か問題?

日本は海外から安い農産物を大量に輸入してきましたが、今後もそれが続くとは考えにくい状況になっています。世界的に食糧危機への不安が高まる中、食料輸入が困難になる事態を想定する必要があるでしょう。 現実に、フランスはすでに食料価格の乱高下や食料品に対して一定の規制をする方向で動き始めました。 すでに食料自給率が約40%に低下した日本が今取り組むべきことは、TPP参加ではなく、世界の食料安全保障の確立に対してリーダーシップを発揮することではないでしょうか。

TPPに参加しないと、経済成長に乗り遅れるんじゃないの? 韓国は積極的にさまざまな国とFTAを締結し、韓国企業のシェア拡大を狙っている。 このままでは、日本は取り残されてしまい、国際競争に負けてしまうのではと心配だ。

2008年時点での韓国の輸出依存度は日本の16%を大きく上回り、およそ45%。つまり韓国は非常に輸出依存度が高い産業構造であり、輸出産業を維持しなければならないのです。 一方、日本は内需が8割以上。輸出依存度は17.4%と極めて低く、韓国は参考になりません。
また、韓国の輸出が増加している一番の理由は、ウォン安の影響です。 日本は超円高になっていて輸出には不利な状況が続いています。
つまり、今の日本に必要なのは、日本経済を支える内需拡大対策と円高を抑えるための為替対策であり、TPPではないはずです。

TPPで海外から安くものが買えるのはいいことだし、貿易の自由化は悪いことではないのでは?

TPPが対象とするのは、農産物や工業製品の関税だけではありません。 金融や情報サービスなどさまざまな分野が交渉の対象になっており、場合によっては消費者の安全や社会の健全な発展のために設けられた、さまざまな規制や制度までが、非関税障壁だとして見直しや撤廃を迫られる可能性があります。 農林水産関係者だけでなく、消費者団体や地方自治体、医療団体などがTPPに反対するのはそうした点を心配するからです。 TPPにはこの国のあり方や私たちの生活まで変わってしまうような重大な問題が含まれているのです。

TPPを締結し、たとえば米国への輸入関税がなくなれば、日本から輸出が増え、国益になるはずですよね?

関税撤廃で日本からの輸出が増えるかどうかは疑問です。 たとえば対米輸出額の多くを占めるのは自動車ですが、それにかかる米国の輸入関税は2.5%です。 日本製品のコスト競争力に与える影響という点では、円/ドルの為替レートのほうがはるかに大きいでしょう。 多くの工業製品の輸入関税がすでに低く、対日貿易赤字の是正に本気で取り組む米国ですから、輸入関税が撤廃されても、米国への輸出を増やすことは困難でしょう。 さらに、TPP参加国の顔ぶれには、米国以外に輸出先として大きく期待できる国はないのです。

強い農業を目指せば、TPPによる「平成の開国」とも両立できるんじゃないの?

米国やオーストラリアの農業の生産規模は日本よりも圧倒的に大きく、有利な国土条件に恵まれています。日本がそうした国々と同じように、大規模な農業を展開することは、中山間地が多い国土条件を鑑みると、現実的には困難です。 このような国ごとの条件の違いが生み出す国産品と輸入品の価格差を調整して、自国の産業を守るのが関税なのです。
よく誤解されますが、関税率はWTO加盟国の間で共通の計算方法によって設定されたもので、日本が意図的に高くしているわけではないのです。