


TPPって(太平洋連携協定 Trans-Pacific Partnership)の略ですよね? 具体的にはどんなことですか?
TPPの原則は「関税の撤廃」と「各国の様々なルールやしくみの統一」。輸出や輸入ではふつう関税が課せられるし、国ごとに異なる品質検査がありますね。また、サービスや投資などのルールも、各国の事情に応じて異なっています。そうしたものを全部取り払って、国境を越えて物が自由に行き来できるようにし、サービス、食品安全性や医療、雇用、投資などに関するルールや仕組みを統一しようとするのがTPPです。
このTPPには太平洋を囲む、アメリカ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、オーストラリア、ペルー、マレーシア、ベトナムの9か国が参加を表明していて、日本も参加すべきか、大きな議論になっています。
参加国同士なら無関税で輸出入ができて、ややこしいルールや仕組みも統一されるんですね。とても良いことじゃないですか!
確かに、輸入品が買いやすくなる消費者や、輸出を伸ばせる企業にとってはありがたいことかもしれませんね。ところが、輸入拡大によって大打撃を受ける産業がありそうですし、日本独自の食品安全基準などが他の国に合わせて緩くなったり、医療の質の低下、デフレ悪化による失業率上昇など、多くの問題が懸念されるんです。


でも、貿易自由化の試みは今までもありましたよね?
良いところに気がついたね。 ナナさんの言うとおり日本はさまざまな国と、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)を締結/合意して、貿易の自由化を進めてきました。
TPPはその延長ではないの?
FTA・EPAとTPPは大きく異なります。たとえば、関税撤廃については、FTA・EPAでは話し合いによって「お米だけは対象外にして欲しい」と言うように、一部の商品を除外することができます。つまり、自由化すると深刻な影響を受ける品目を対象外にして守り、両国にメリットがあるものについては自由化を促進しようとするものです。
これに対して、TPPは一切の例外を認めないのが特徴です。たとえその国や社会にとって重要度が高い物品であっても、特定の物品を除外することは許されない、厳しい協定なのです。


すべての物品が対象となるわけですね。
物品だけではないよ。サービス、投資、金融、人の移動、公共事業の入札など、きわめて多様な分野が対象として検討されている。参加国同士で、様々な規制やルールなど社会の仕組みを統一することも、自由に行き来させることの狙いのひとつなんだ。
関税が撤廃されて輸出入が活性化したり、ルールが統一されることは良いことのように思えるけれど?
理不尽な制約がないことは良いと思えるかもしれませんが、市場原理にすべてを委ねてしまうのはどうでしょうか?
TPPによって関税が撤廃されると内需に支えられている中小企業や農家には死活問題になると考える人も多いのです。
また、サービスの自由化や、国内制度の規制緩和や撤廃も交渉対象になっていますから、これまで築いてきた国や社会の仕組み、あるいは基準などが一変し、私たちみんなに大きな影響を及ぼすと考えられています。
